この記事では、文系学生がIT業界で内定を獲得するまでの全体的な流れと、各段階で取り組むべきことを解説します。就活のスケジュールを把握して計画的に準備を進めることで、文系からでもIT業界への就職を実現できるでしょう。
私自身も文系出身でIT業界に飛び込んだ経験から、理論だけでなく実践的なアドバイスをお届けします。
◾️この記事でわかること
- IT業界の就活スケジュールと一般的な就活との違い
- 文系学生がIT業界で内定を獲得するための準備ステップ
- 各時期に取り組むべき具体的な行動
- 文系学生に適したIT業界の職種
- 就活を有利に進めるためのポイント
◾️この記事のポイント
- IT業界の就活は早期化が進んでおり、3年生の秋から選考が始まる
- 多くの人気IT企業は通年採用や早期選考を実施している
- 文系学生でも挑戦できるIT職種は多数存在する
- インターンシップ経験が内定獲得に大きく影響する
- 基本的なIT知識の習得が文系学生の差別化につながる
目次
IT業界の就活スケジュール:一般的な就活との違い
IT業界の就活は、一般的な就活と比べていくつかの特徴があります。最も大きな違いは「選考の早期化」です。
早期選考の実施
多くのIT企業では、大学3年生の夏頃からインターンシップを実施し、その後早期選考を行っています。特に人気のWeb系企業やIT企業では、大学3年生の秋頃(10月・11月)から選考を開始するところが多いです。
一般的な就活では、大学4年生の3月から企業説明会が始まり、6月から選考が本格化するのに対し、IT業界では半年以上早いタイミングで選考が始まります。
通年採用の増加
IT業界では通年採用を行う企業も多く、エントリーのタイミングが柔軟です。楽天、Yahoo、メルカリ、ミクシィ、freeeなど多くの人気Web系企業が通年採用を実施しています。
ただし、通年採用と言っても、早い時期に優秀な人材を確保したいという企業の意向から、早めに応募した方が有利になる傾向があります。「早期選考で欲しい人材に多数内定を出した場合、本選考での採用枠が狭まる可能性がある」という点に注意が必要です。
具体的なタイムライン
IT業界の就活スケジュールを月ごとに見ていきましょう。

3年生夏(7〜9月)
- サマーインターンシップへの参加
- 基本的なIT知識の習得
3年生秋(10〜11月)
- 早期選考の開始(一部企業)
- インターン参加企業からの選考案内
- 志望企業の絞り込み
3年生冬(12〜2月)
- 内定直結型インターンからの内定獲得(早い企業)
- 企業説明会の開始
- エントリーシート提出の本格化
3年生春(3月)
- 一般企業のエントリー開始(3月1日)
- IT企業の一次選考がほぼ終了
- 多くのIT企業からの内定出し開始
4年生初夏(4〜5月)
- 残りの選考プロセスの完了
- 複数内定の比較検討
- 内定承諾
多くのIT企業では、3年生の10月頃から選考を開始し、早ければ3年生の12月、遅くとも4年生の4月頃には内定が出ています。2025年4月の時点では、多くの大手IT企業はすでに内定出しを完了している段階です。
文系学生のためのIT就活準備ステップ
文系学生がIT業界で内定を獲得するためには、計画的な準備が必要です。以下に、時期ごとの準備ステップを紹介します。
2年生〜3年生前期:基礎知識の習得
この時期は、IT業界の基礎知識を身につけ、自分の適性を見極める期間です。
取り組むべきこと
- ITパスポート試験や基本情報技術者試験などの資格取得
- プログラミング学習サイト(Progateなど)での基礎学習
- IT業界の業種・職種研究
- 長期インターンシップへの参加(可能であれば)
文系学生の場合、特に「ITパスポート試験」は取得しやすく、IT業界の基礎知識を証明する資格として評価されます。また、HTML/CSSなどの基本的なプログラミング言語を学ぶことで、技術への理解を深めることができます。
「文系出身者がIT業界で直面する5つの不安」として、プログラミングスキルの不足や学習の方向性が見えないといった点が挙げられていますが、これらは計画的な学習で解消できます。文系学生100人が実践したIT業界不安解消法では、HTML/CSSから始めて徐々にステップアップする学習法を紹介しています。
また、3ヶ月IT学習プランを活用すれば、効率的に基礎知識を身につけることができます。特に文系学生には、IT未経験者向け学習リソースがおすすめです。
3年生夏:インターンシップ参加
サマーインターンシップは、実際の業務を体験し、企業文化を知る貴重な機会です。また、インターン経験者は選考で優遇されることも多いため、積極的に参加しましょう。
取り組むべきこと
- インターンシップ情報の収集(5〜6月)
- エントリーシート・面接対策
- インターンシップへの参加(7〜9月)
- 業界・企業研究の深化
文系学生に適したインターン職種としては、「ITコンサルティング」「デジタルマーケティング」「カスタマーサクセス」などがあります。技術的な知識よりも、コミュニケーション能力や論理的思考力が求められる職種を選ぶと良いでしょう。
インターンシップ体験記では、文系学生がIT企業でのインターンシップを通じて得た学びや気づきが詳細を紹介しています。この記事を参考に、自分に合ったインターンシップを見つけることができます。
文系向け職種やDX人材については、文系向けIT職種完全ガイドDX人材編もご覧ください。
3年生秋:早期選考への準備
インターンシップ後は、すぐに早期選考に向けた準備を進めます。この時期からは本格的な就活モードに切り替えましょう。
取り組むべきこと
- インターン参加企業からの選考案内への対応
- 志望企業の絞り込み(5〜10社程度)
- 自己分析・志望動機の明確化
- エントリーシート・面接対策の強化
特に、インターンシップで関わった企業からの選考案内には迅速に対応することが重要です。インターン経験者向けの選考は、一般選考よりも通過率が高い傾向にあります。
- 自己分析や企業選びはIT企業タイプ診断が役立ちます。
- ES改善法はES改善20のポイントを参照ください。
3年生冬〜春:選考と内定獲得
この時期は、早期選考に参加し、内定獲得を目指します。
取り組むべきこと
- 早期選考への参加
- 内定直結型インターンへの参加
- 複数企業の選考を並行して進める
- 内定先の比較検討(早期内定の場合)
IT業界では、3年生の12月から内定が出始める企業もあります。特に内定直結型インターンでは、プログラム終了後すぐに内定が出ることも珍しくありません。
- 面接や論理的思考対策は、3つの論理的思考法が参考になります。
- ポートフォリオ作成は、3つのポートフォリオ比較もチェックしてください。
- AI模擬面接やリモート面接のコツは、AI面接対策、リモート面接対策で解説しています。
4年生春:最終選考と内定確定
残りの選考プロセスを完了させ、内定を確定させる時期です。
取り組むべきこと
- 残りの選考への参加
- 複数内定の比較検討
- 内定承諾の決断
- 内定後の入社準備
IT業界では、4年生の4月頃には多くの企業の選考が終了しています。この時期に内定がない場合でも、中小企業やスタートアップ、第二新卒採用などの選択肢もあるため、焦らず自分に合った企業を探しましょう。
文系学生がIT業界で内定を獲得するためのポイント
最後に、文系学生がIT業界で内定を獲得するためのポイントをまとめます。
基本的なIT知識を身につける
完璧な技術力は必要ありませんが、基本的なIT用語や概念を理解していることは重要です。ITパスポート試験や基本情報技術者試験の勉強を通じて、業界知識を身につけましょう。
また、HTML/CSSなどの基本的なプログラミング言語を学ぶことで、技術への理解を深めることができます。「Progate」や「ドットインストール」などのオンライン学習サービスを活用すると良いでしょう。
- ITパスポートや基本情報技術者試験の勉強
- HTML/CSSなどの基本的なプログラミング学習
- プログラミング習得法でコツを学ぶ
- IT用語100選や3日でわかるIT用語集で用語を効率的に習得
インターンシップ経験を積む
インターンシップは、実際の業務を体験できるだけでなく、選考でも有利になります。特に、長期インターンシップは実務経験として評価されやすいです。
また、インターンシップを通じて、自分に合った職種や企業文化を見極めることができます。可能であれば、複数の企業でインターンシップを経験し、比較検討することをおすすめします。
- ITインターン体験記・企業比較で実際の体験談をチェック
文系ならではの強みをアピールする
文系学生には、コミュニケーション能力や論理的思考力、多角的な視点など、IT業界でも求められる強みがあります。これらの強みを具体的なエピソードと共にアピールしましょう。
例えば、「サークル活動でのリーダー経験」「アルバイトでの顧客対応スキル」「論文作成で培った論理的思考力」など、自分の経験を具体的に語ることが重要です。
- 文系向けIT職種完全ガイドDX人材編で文系の強みを確認
早めの行動を心がける
IT業界の就活は早期化が進んでいるため、早めの行動が重要です。特に、インターンシップの応募や企業研究は、他の就活生よりも早めに始めることをおすすめします。
大学3年生の夏までにインターンシップを経験し、秋から始まる早期選考に備えることが理想的です。特に2025年卒業予定の学生は、すでに多くの企業が内定出しを完了している段階(2025年4月時点)なので、早めの行動が求められます。
- IT企業タイプ診断で自分に合う企業を早めに見つける
業界トレンドをキャッチアップする
IT業界は技術の進化が速く、常に新しいトレンドが生まれています。業界ニュースやテクノロジートレンドをキャッチアップし、面接で話題にできるようにしましょう。
特に、AI、クラウドコンピューティング、Web3、リモートワークなど、現在注目されているトレンドについては理解を深めておくと良いでしょう。
- Web3入門やクラウドセキュリティの課題で最新動向を押さえる
まとめ:文系学生のIT業界就活ロードマップ
- 計画的な準備と行動で内定獲得は十分に可能
- 基本的なIT知識の習得とインターンシップ経験が成功の鍵
- 文系学生の強みを活かせる職種も多数あるため、自分に合った職種を見つけて挑戦しましょう。
- 年収・働き方ガイドで自分のライフスタイルに合った働き方を選ぶことも重要
- プログラミング習得法やIT未経験者向け学習リソースまとめを活用して、効率的にスキルアップを図りましょう。
企業選び・学習・選考対策等、それぞれの概要を確認したい方は、文系未経験から始める IT就活完全ガイドをご覧ください。