【転職成功例】第二新卒×IT未経験 営業職→エンジニアへ転職成功した学習法と転職活動の軌跡

「第二新卒で営業職についたけれど、将来性を考えるとITエンジニアに転職したい」「未経験からエンジニアになるための具体的な方法が知りたい」「営業スキルをエンジニアでも活かせるの?」 このような悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。

本記事では、実際に第二新卒で営業職からITエンジニアへの転身に成功した事例をもとに、効果的な学習方法や転職活動のポイントを詳しく解説します。この記事を読むことで、あなたも未経験からエンジニアへの転職を実現するための具体的なステップが理解できるようになります。

私の勤める会社で中途採用した元営業職の社員からヒアリングした内容をもとに、他の転職者の内容も交えながら解決策をお伝えします。プログラミング学習の始め方から転職活動の進め方、面接でのアピールポイントまで、あなたのエンジニア転身を成功に導くための情報を詳細にご紹介していきます。

この記事でわかること

  • 第二新卒営業職からエンジニアへの具体的な転身ストーリー
  • 未経験からのプログラミング学習法と効率的な勉強時間の確保方法
  • 未経験でも採用されるための転職活動のコツと面接対策
  • 営業経験をエンジニア職でどう活かせるか
  • エンジニア転身後のキャリアパスと成長戦略
  • 2025年のIT業界の最新動向と市場状況
  • 人気プログラミング言語ランキングと技術トレンド
  • 職種別・経験年数別の具体的な年収例

この記事のポイント

  • 営業職の経験はコミュニケーション力としてIT業界でも大きな武器になる
  • 独学とスクールを組み合わせた効率的な学習方法が転職成功の鍵
  • 転職活動ではポートフォリオ作成と自己PRの工夫が重要
  • 未経験でも採用される理由を理解し、自信を持って面接に臨むことが大切

目次

第二新卒営業職からITエンジニアを目指したきっかけ

なぜ営業からエンジニアへの転身を決意したのか

私の勤める会社で中途採用したAさんが営業職からエンジニアへの転身を考え始めたのは、入社2年目のことでした。新卒で入社した営業代行会社では、訪問営業の経験を積み、数字も一定の成果を残していました。しかし次第に、自分のキャリアの将来性や、身につけるスキルの汎用性について考えるようになりました。

特に大きな転機となったのは、コロナ禍でのリモートワーク体験です。外回りが主だった営業職と比較して、エンジニアの働き方に柔軟性を感じ、また自身のスキルを継続的に高められる職種に魅力を感じるようになりました。

また、IT業界が今後も成長し続ける分野であることも大きな理由でした。経済産業省の予測によると、2030年には約80万人規模のIT人材不足が起こると言われています。この状況は、未経験者にとっても大きなチャンスと言えるでしょう。

転職への不安と期待

最初は「未経験からエンジニアになれるのか」「プログラミングの適性があるのか」という不安がありました。しかし、調査を進めるうちに未経験からエンジニアに転身した方々の事例を多く見つけ、可能性を感じるようになりました。

特に、営業職で培った「コミュニケーション能力」や「課題解決力」がIT業界でも重視されていることを知り、自分の強みを活かせる可能性を感じたのです。営業経験者は「人とのコミュニケーションが不可欠」なIT部門でも大きな強みを発揮できます。

2025年のIT業界の最新動向と市場状況

急成長するデジタルトランスフォーメーション市場

2025年の日本のIT業界は大きな転換期を迎えています。IMARC Groupの調査によると、日本のデジタルトランスフォーメーション市場は2024年の8.7兆円(579億ドル)から2033年には45.7兆円(3048億ドル)に達すると予測されており、2025年から2033年にかけての年間平均成長率(CAGR)は20.3%と驚異的な成長が見込まれています。

特にAI、IoT、クラウドコンピューティングなどの先端技術の普及が市場成長を牽引しており、これらの技術に精通したエンジニアの需要は今後も高まり続けるでしょう。

IMARC Group調査よる2025年から2033年までの日本のデジタルトランスフォーメーション市場規模のグラフ

「2025年の崖」と人材不足の深刻化

日本のIT業界が直面している大きな課題が「2025年の崖」です。これは経済産業省が提唱した概念で、多くの企業が依存しているレガシーシステム(旧式ITシステム)がもたらすリスクを指しています。この問題により、日本は年間約12兆円の経済損失を被る可能性があるとされています。

さらに深刻なのは、IT人材の不足です。2025年までに約36万人のソフトウェアエンジニアが不足すると予測されており、このギャップは2030年までに45万人に拡大する見込みです。この状況は、未経験からエンジニアへの転身を考えている方にとって、大きなチャンスと言えるでしょう。

企業のデジタル投資拡大

2025年、日本企業はデジタル技術への投資を急速に拡大しています。特に注目すべきは、日本政府が2024年11月に発表した1.5兆円規模のAI・半導体産業強化予算です。

こうした大規模な投資は、IT人材、特にAIやクラウド技術に精通したエンジニアの需要をさらに高めることになるでしょう。

未経験からのITスキル習得方法

効率的な学習法の選択

転職を決意した後、まず直面したのは「どうやってプログラミングを学ぶか」という課題でした。大きく分けて以下の2つの学習方法があります。

  1. 独学で書籍・教材を使って学ぶ方法
    独学のメリットは費用を抑えられることと、自分のペースで学習できることです。書籍やWeb教材、YouTube動画など、無料または低コストで始められるリソースが豊富に存在します。 しかし、最大の課題は「モチベーションの維持」です。Aさんは最初は独学で始めましたが、分からないことがあっても質問できる相手がおらず、学習が停滞することがありました。
  2. プログラミングスクールに通う方法
    独学での挫折を経験した後、プログラミングスクールへの入学を決意しました。費用はかかりますが、カリキュラムが体系化されていることや、分からないことを質問できる環境があること、同じ目標を持つ仲間ができることで学習のモチベーションを維持できました。 また、スクールによっては転職サポートも充実しており、未経験者の就職に強いスクールを選ぶことで転職活動もスムーズに進められます。

実践的なスキル習得のポイント

プログラミングを学ぶ際に重要なのは、単に言語の文法を覚えるだけでなく、実践的なスキルを身につけることです。以下のポイントを意識しました。

  1. 目標とする職種を明確にする
    「エンジニア」と一言で言っても、Webエンジニア、インフラエンジニア、データサイエンティスト、ITコンサルタントなど様々な職種があります。AさんはWebアプリケーション開発に興味があったため、HTML/CSS、JavaScript、PHPなどの言語から学習を始めました。
  2. ポートフォリオの作成
    転職活動で最も重要だったのは、自分のスキルを証明するポートフォリオの作成です。スクールの課題だけでなく、自分でオリジナルのWebアプリケーションを作成することで、実践的なスキルをアピールできました。
  3. 学習の習慣化
    独学時代の失敗を踏まえ、「毎日少しでも勉強する」という習慣化を心がけました。最初は1日30分からでも、継続することで少しずつスキルが身についていきます。

2025年に需要の高いプログラミング言語

2025年現在、以下のプログラミング言語が特に需要が高く、学習する価値があります。

  1. Python
    データサイエンスや機械学習のライブラリが充実しており、2025年も最も人気のあるプログラミング言語の座を維持しています。AI開発の急速な普及により、Pythonのスキルを持つエンジニアの需要は非常に高くなっています。
  2. JavaScript/TypeScript
    Webフロントエンド開発の基本言語であり、Node.jsによるサーバーサイド開発も可能です。2025年にはIoTや組み込みシステムの分野でも活用が広がっています。
  3. C++
    高性能なシステム開発に不可欠な言語で、特にゲーム開発や金融システムなどのパフォーマンスが重視される分野で需要が高まっています。
  4. Java
    企業向けアプリケーション開発で広く使われており、安定性と拡張性の高さから多くの大企業で採用されています。
  5. Go (Golang)
    クラウドインフラやマイクロサービス開発で人気が急上昇しており、2025年にはTIOBE Indexで7位にランクインするなど、急速に採用が広がっています。

営業経験を活かした学習アプローチ

営業経験者としての強みを活かした学習アプローチも効果的でした。

  1. コミュニケーション力を活かした情報収集
    分からないことがあれば、積極的に質問したり、エンジニアの知人に相談したりしました。営業で培った「聞く力」が学習速度を上げるのに役立ちました。
  2. 目標設定と振り返りの習慣
    営業職で身についた「目標設定→行動→振り返り」のサイクルを学習にも取り入れました。週ごとの学習目標を立て、達成度を振り返ることで着実に成長できました。

未経験からの転職活動戦略

営業経験を活かした自己アピール

転職活動では、「未経験」というハンディキャップをどう克服するかが課題でした。そこで、営業経験を強みとして前面に押し出す戦略を立てました。

  1. コミュニケーション能力のアピール
    IT業界では、技術力だけでなく「チームで協力して問題を解決する力」や「クライアントの要望を正確に理解する力」も重視されます。営業で培ったこれらのスキルを具体的なエピソードとともにアピールしました。
  2. 顧客視点での価値提案力
    営業では顧客の課題を理解し、最適な解決策を提案することが求められます。この経験はプロジェクトの要件定義や提案の場面で活きることをアピールしました。
  3. 数字での実績証明
    営業時代の数字での実績(例:「150名中トップ10に入る売上を達成」など)を示すことで、成果へのコミットメントをアピールしました。

未経験エンジニアを採用する企業の探し方

未経験からエンジニアを目指す場合、企業選びも重要です。以下の点を重視して企業を探しました。

  1. 未経験者・第二新卒向けの求人を出している企業
    「未経験歓迎」「第二新卒歓迎」の求人を積極的に探しました。未経験者や第二新卒向けの求人は意外と多いのです。
  2. 研修制度が充実している企業
    入社後の研修制度が充実している企業を選ぶことで、スキルアップの機会を確保できます。
  3. SIerやWeb制作会社などプロジェクト型の企業
    様々なプロジェクトに関われる企業を選ぶことで、幅広い経験を積むことができます。

面接対策と自己PRのコツ

面接では、以下のポイントを意識しました。

  1. なぜITエンジニアになりたいのかの明確な理由
    単に「将来性があるから」ではなく、「テクノロジーを通じて社会課題を解決したい」など、具体的かつ情熱を感じさせる理由を伝えました。
  2. 学習の過程と成果の具体的な説明
    「どのように学び、どんな壁にぶつかり、どう乗り越えたか」というストーリーを伝えることで、問題解決能力や学習への姿勢をアピールしました。
  3. ポートフォリオの効果的な見せ方
    作成したWebアプリケーションなどのポートフォリオを、技術的なポイントだけでなく「なぜそのアプリを作ったのか」「どんな課題を解決したかったのか」という背景も含めて説明しました。

営業経験がITエンジニアとして活きる場面

ビジネス視点でのシステム開発

転職後に実感したのは、営業経験がITエンジニアとしての仕事に様々な場面で活きるということです。

  1. クライアントのニーズ理解
    システム開発において、クライアントが本当に求めているものを理解する力は非常に重要です。営業で培った「聞く力」や「真のニーズを引き出す力」が、要件定義の場面で大いに役立ちました。
  2. 全体最適の視点
    営業では顧客だけでなく自社の利益も考える必要があります。この「全体を見る視点」が、システム開発の優先順位付けや機能の取捨選択の場面で活きています。

チーム内でのコミュニケーション

  1. わかりやすい説明能力
    専門知識を持たない顧客に商品やサービスを説明してきた経験が、技術的な内容を非エンジニアにわかりやすく伝える場面で役立っています。
  2. 調整力とリーダーシップ
    プロジェクトの進行において、異なる部署や立場の人との調整が必要な場面は多々あります。営業時代の交渉スキルが、チーム内の合意形成に活かされています。

エンジニア転身後のキャリアパスと年収

2025年のITエンジニア職種別年収データ

日本におけるITエンジニアの職種別平均年収(2025年時点)は以下のようになっています。

職種平均年収
プロジェクトマネージャー693万円
ITコンサルタント598万円
データサイエンティスト556万円
システム開発/運用489万円
フロントエンド開発者517万円
バックエンド開発者685万円
モバイル開発者684万円
クラウドインフラエンジニア695万円
セキュリティエンジニア720万円
AIエンジニア750万円

経験年数別の年収推移

ITエンジニアの年収は経験年数によっても大きく変わります。以下は経験年数別の平均年収データです。

  • 未経験~1年目:400万円~450万円
  • 2~3年目:450万円~550万円
  • 4~5年目:550万円~650万円
  • 6~9年目:650万円~800万円
  • 10年以上:800万円~1000万円以上

多様なキャリアパスの選択肢

ITエンジニアとしてのキャリアパスは多岐にわたります。

  1. 技術スペシャリストへの道
  • システムエンジニア → 専門分野のエキスパート → アーキテクト
  • Webエンジニア → フルスタックエンジニア → テックリード
  1. マネジメントへの道
  • エンジニア → プロジェクトリーダー → プロジェクトマネージャー → 技術部長
  • 開発者 → チームリーダー → 開発マネージャー → CTO
  1. 営業経験を活かした複合型キャリア
  • エンジニア → セールスエンジニア → ITコンサルタント → 事業開発責任者
  • 開発者 → プリセールス → ソリューションアーキテクト → 技術営業ディレクター

成功事例から学ぶ:実際の転身ストーリー

事例1:不動産営業からSalesforce導入支援エンジニアへ

不動産業で新築マンションの営業を担当していたBさんは、住宅価格高騰による顧客と提案内容の乖離に葛藤を感じていました。もともとパソコン操作が得意だったこともあり、顧客の業務効率・売上アップにつながるSalesforceの導入・支援という仕事に転身しました。営業で培った顧客理解力と提案力が、システム導入支援の場面で大いに活かされています。

事例2:企業向け基幹システム営業からRPAエンジニアへ

元々SEとして働いていたものの、コミュニケーション能力を買われて営業職に転属したCさん。数字を追うことよりも技術的な仕事に再び携わりたいという思いから、RPAエンジニアへの転身を決意しました。営業時代に培った「技術を顧客目線でわかりやすく説明する力」が、RPAの導入提案や要件定義の場面で高く評価されています。

事例3:広告代理店営業からフロントエンドエンジニアへ

新卒で入社した広告代理店を1年半で退職したDさんは、「自分の手でものづくりがしたい」という思いから、独学でプログラミングを学び始めました。Progateやドットインストールで基礎を学んだ後、Udemyの有料コースでReactやNode.jsを習得。約4ヶ月の学習でポートフォリオとして写真共有SNSを開発し、中小のWeb制作会社に採用されました。広告代理店での経験が、顧客理解力やデザインセンスとして評価されています。

未経験からエンジニア転身を成功させるためのロードマップ

1. 目標設定と職種選択(1ヶ月目)

  • 自分の興味・適性の棚卸し
  • IT業界の職種研究
  • 転職後のキャリアパスの検討
  • 具体的な目標職種と企業の選定

2. スキル習得計画の立案(1~2ヶ月目)

  • 必要なスキルの洗い出し
  • 学習リソースの選定(書籍、オンラインコース、スクールなど)
  • 学習スケジュールの作成
  • 学習環境の整備

3. 基礎スキルの習得(2~4ヶ月目)

  • プログラミング言語の基礎学習
  • 開発環境の構築と使い方の習得
  • 簡単なプログラムの作成
  • オンラインコミュニティへの参加

4. 実践的スキルの習得とポートフォリオ作成(4~6ヶ月目)

  • 実務に近い課題への取り組み
  • ポートフォリオ用のプロジェクト開発
  • GitHubでのコード管理
  • 技術ブログの執筆開始

5. 転職準備と活動開始(6~8ヶ月目)

  • 職務経歴書の作成
  • ポートフォリオの完成と公開
  • 転職サイト・エージェントへの登録
  • 面接対策(技術面接・人物面接)

まとめ:営業経験者がエンジニアとして成功するために

営業職からITエンジニアへの転身は、単なる職種変更以上の価値があります。営業で培った「人間力」とエンジニアとしての「技術力」の両方を持つことで、IT業界で独自の価値を発揮できるからです。

特に2025年現在、日本のIT業界は「2025年の崖」と呼ばれるレガシーシステムの刷新問題や、36万人規模のIT人材不足という課題に直面しています。また、IDC Japanの予測によると、2025年の国内IT市場規模は前年比8.2%増の26兆6412億円に達する見込みであり、この成長産業で活躍するチャンスは大いにあります。

第二新卒という若さとポテンシャル、そして営業経験で培ったコミュニケーション能力や課題解決力を武器に、ぜひチャレンジしてみてください。IT業界は常に新しい才能を求めています。あなたの営業経験は、思っている以上に大きな武器になるはずです。

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