第二新卒でIT業界への転職を考えているけれど、「どの資格を取れば評価されるのか分からない」「時間をかけて取得しても意味がないのでは」と悩んでいませんか? 多くのIT未経験者は、膨大な種類のIT資格の中から何を選べばいいのか迷い、貴重な時間とエネルギーを浪費してしまいます。
この記事を読むことで、あなたの就活状況や学習時間に合わせた「本当に評価される資格」を選ぶことができるようになります。内定率アップに直結する資格と、単なる「持っているだけ」の資格の違いを明確に理解できるでしょう。
実際のIT企業の採用データと難易度別の合格率を分析し、「第二新卒IT未経験者」に特化した資格ランキングを作成しました。一般的なIT資格ランキングではなく、「採用担当者の評価」と「取得難易度」の両面から最適な選択肢を提示します。
この記事では、初級・中級・上級の難易度別に資格をランキング化し、それぞれが内定率にどう影響するかを具体的に解説します。限られた時間で最大の効果を得るための戦略的な資格取得計画を立てられるよう、実践的なアドバイスをお届けします。
この記事で分かること
この記事のポイント
目次
IT未経験第二新卒が直面する就職の壁
第二新卒の内定率の現実
第二新卒としてIT業界へ転職を目指す際、まず知っておくべき現実があります。一般的な第二新卒の内定率は約50%前後と言われています。これは決して高い数字とは言えませんが、IT業界に限ると状況はやや異なります。
経済産業省の予測によると、2030年までに40~80万人規模でIT人材が不足する懸念があり、IT企業は若手人材の確保に積極的です。つまり、適切な準備をすれば、IT未経験でも内定を掴むチャンスは十分にあります。
なぜ資格が重要なのか
IT未経験者が不利になる最大の理由は「スキル証明ができない」ことです。実務経験がない状態でポテンシャルだけをアピールしても、なかなか採用には結びつきません。
ここで資格の重要性が浮かび上がります。資格は「学ぶ意欲」と「一定レベルの知識習得」を客観的に証明できる貴重な武器になります。特に未経験者は、「ポテンシャルだけで勝負せず、アピールポイントを準備しておく」ことが内定率向上の鍵なのです。
難易度別・本当に評価されるIT資格ランキング
レベル | 資格名 | 内定貢献度 | 合格率 | 学習期間 |
---|---|---|---|---|
初級 | 基本情報技術者試験 | ★★★★☆ | 45~55% | 3~6か月 |
初級 | ITパスポート試験 | ★★★☆☆ | 50~55% | 1~2か月 |
初級 | AWS認定資格 | ★★★★★ | 約50% | 2~3か月 |
初級 | MOS | ★★☆☆☆ | 約80% | 2週間~1か月 |
中級 | 応用情報技術者試験 | ★★★★★ | 23~28% | 6か月~1年 |
中級 | CCNA | ★★★★☆ | 25~30% | 3~6か月 |
中級 | オラクル認定Java資格(Bronze) | ★★★☆☆ | 約60% | 3~4か月 |
上級 | 情報処理安全確保支援士 | ★★★★★ | 19~22% | 1年以上 |
上級 | データベーススペシャリスト | ★★★★★ | 15~18% | 1年以上 |
【初級】短期間で取得できる高評価資格
1. 基本情報技術者試験(内定率貢献度:★★★★☆)
IT資格の中でも「ITエンジニアの登竜門」として知られる国家資格です。未経験者からの支持が高く、内定率アップへの貢献度も非常に高いと言えます。
合格率:45~55%
学習期間:3~6か月程度
特徴:IT業界のどの職種・業種にも活かせる汎用性の高さが最大の魅力
新入社員に取得を奨励している企業や資格手当の対象としている企業も多く、採用担当者からの評価も高い資格です。
おすすめ学習リソース
- 『令和07年 イメージ&クレバー方式でよくわかる かやのき先生の基本情報技術者教室』(技術評論社)- 売上第1位で130万部突破の定番テキスト
- 『【令和7年度】 いちばんやさしい 基本情報技術者 絶対合格の教科書+出る順問題集』(SBクリエイティブ)- 図解が豊富で初心者にも分かりやすい
2. ITパスポート試験(内定率貢献度:★★★☆☆)
「iパス」とも呼ばれるこの国家資格は、合格率50~55%と比較的取得しやすい資格です。IT業界を目指す若い世代を中心に受験されており、第二新卒には特におすすめです。
合格率:50~55%
学習期間:1~2か月程度
特徴:コンピュータの基礎知識からITの最新技術、企業経営やセキュリティまで幅広い知識が身につく
ただし、基本情報技術者試験と比べると評価は若干低めのため、可能であれば基本情報技術者試験の取得を目指すことをおすすめします。
おすすめ学習リソース
- 『キタミ式イラストIT塾 ITパスポート』(技術評論社)- イラスト豊富で視覚的に学べる
- ITパスポート試験ドットコム – 無料で過去問を解ける人気サイト
3. AWS認定資格(内定率貢献度:★★★★★)
クラウドサービスの世界的シェアを誇るAmazon Web Services(AWS)の認定資格です。合格率は約50%ですが、クラウド関連の求人が急増している今、最も内定率アップに貢献する資格の一つと言えます。
合格率:50%前後
学習期間:2~3か月程度
特徴:特にAWS認定ソリューションアーキテクトアソシエイト(SAA)は、初級資格ながら企業からの評価が非常に高い
おすすめ学習リソース
- AWS Skill Builder – AWSが公式に提供する学習プラットフォーム
- Udemy「AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト模擬試験問題集」- 実践的な問題で試験対策ができる
- 学習時間の目安:クラウドプラクティショナーは10〜20時間、アソシエイトレベルは40〜80時間
4. MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)(内定率貢献度:★★☆☆☆)
Word、Excel、PowerPointなどのOfficeソフトの操作スキルを証明する資格です。合格率は約80%と高く、取得難易度は低めです。
合格率:一般 約80%、上級 約60%
学習期間:2週間~1か月程度(一般)
特徴:IT業界に限らず、ビジネスパーソンの基礎スキルとして評価される
IT専門職を目指す場合、これだけでは差別化が難しい点に注意が必要です。ただし、他のIT資格と組み合わせることで「基本的なビジネススキルもある」という印象を与えられるため、短期間で取得できるなら持っておいて損はないでしょう。
【中級】努力次第で未経験でも取得可能な高評価資格
1. 応用情報技術者試験(内定率貢献度:★★★★★)
基本情報技術者試験の上位資格に位置づけられる国家資格で、合格率は20%前後と難易度がやや高めです。
合格率:20%前後
学習期間:6か月~1年程度
特徴:取得できれば「学習能力の高さ」と「IT分野への本気度」が伝わり、採用担当者からの評価は抜群に高くなる
システムエンジニアやプログラマー、Webエンジニアなど、どの職種を目指す場合でも強力なアピールポイントになります。
おすすめ学習リソース
- 応用情報技術者試験ドットコム
- 7万人以上が利用する人気サイトで、無料で過去の正答率や苦手分野の分析が可能
- 応用情報技術者試験ドットコム 過去問道場」
平成15年から直近までのすべての過去問題3,120問が掲載
2. CCNA(シスコ技術者認定資格)(内定率貢献度:★★★★☆)
ネットワーク機器大手シスコシステムズの認定資格で、合格率は25~30%です。ネットワークエンジニアを目指す方には特におすすめの資格です。
合格率:25~30%
学習期間:3~6か月程度
特徴:ネットワーク関連の知識とスキルを体系的に学べる
特にインフラエンジニアやネットワークエンジニアの求人に応募する場合、内定率アップへの貢献度は非常に高いと言えます。
おすすめ学習リソース
- Cisco Learning Network – 公式の学習プラットフォーム
- 『徹底攻略Cisco CCNA問題集』(インプレス)- 実践的な問題で試験対策ができる
3. オラクル認定Java資格(Bronze)(内定率貢献度:★★★☆☆)
プログラミング言語Javaの認定資格で、合格率は約60%と比較的取得しやすい部類に入ります。
合格率:約60%
学習期間:3~4か月程度
特徴:プログラミング未経験者でも取得可能で、システム開発やアプリケーション開発を目指す方におすすめ
Javaは企業システムで広く使われているため、この資格を持っていると「基本的なプログラミングスキルがある」と評価されやすくなります。
おすすめ学習リソース
- 『徹底攻略Java SE Bronze問題集』(インプレス)- 基礎から学べる定番テキスト
- Progate – Javaの基礎を無料で学べるオンラインプラットフォーム
【上級】未経験者には難しいが取得できれば圧倒的評価を得られる資格
1. 情報処理安全確保支援士(内定率貢献度:★★★★★)
サイバーセキュリティ分野のスペシャリストを認定する国家資格で、合格率は15~2%前後と難関です。
合格率:15~2%前後
学習期間:1年以上
特徴:セキュリティエンジニアを目指す場合は最高レベルの評価を得られる
セキュリティ人材の不足は深刻であるため、この資格を持っていると採用される可能性が大幅に上がります。
2. データベーススペシャリスト(内定率貢献度:★★★★★)
データベース設計・運用のスペシャリストを認定する国家資格で、合格率は15~18%と難関です。
合格率:15~18%
学習期間:1年以上
特徴:中長期的なキャリア目標として視野に入れておくと良い
データベースエンジニアは常に需要のある職種なので、将来性は抜群です。
内定率をさらに高めるための資格取得戦略
複数の資格を組み合わせる最適な方法
IT未経験の第二新卒が内定率を最大化するには、複数の資格を戦略的に組み合わせることが効果的です。以下に最適な組み合わせパターンを紹介します。
基本パターン(学習期間:3~6か月)
- ITパスポート + MOS
この組み合わせは最短期間で取得可能で、「IT基礎知識」と「ビジネススキル」の両方をアピールできます。ただし、競争力はやや低めなので、時間的余裕があれば次のパターンを目指しましょう。
推奨パターン(学習期間:6~9か月)
- 基本情報技術者試験 + AWS認定資格(SAA)
現在のIT業界で最もコスパの高い組み合わせです。「IT基礎知識」と「クラウドスキル」の両方をアピールでき、多くの企業から高評価を得られます。
ハイレベルパターン(学習期間:1年~1年半)
- 基本情報技術者試験 + 応用情報技術者試験 + 専門分野の資格1つ
最も強力な組み合わせで、これらを取得できれば未経験でもかなり高い内定率を期待できます。専門分野の資格としては、希望する職種に合わせてAWS認定資格やCCNAなどを選ぶと良いでしょう。
資格だけでは不十分?内定率を倍増させる実践的アプローチ
資格取得は重要ですが、それだけでは不十分な場合もあります。以下の実践的アプローチを併用することで、内定率を大幅に向上させることができます。
プログラミングの実践経験を作る
簡単なポートフォリオや成果物を作ることで、「実際に手を動かせる人材」というアピールができます。GitHubなどでコードを公開し、面接時に紹介できるようにしておきましょう。
実践的な学習リソース
企業研究を徹底する
「未経験可の求人が多い「受託企業」「SES企業」を狙う」など、第二新卒に門戸を開いている企業を重点的にリサーチすることも重要です。
資格取得で内定獲得に成功した実例
事例1: 文系大学卒業後、SIer企業に転職成功
Aさん(25歳・男性)は文系大学を卒業後、アパレル企業で2年間勤務。IT業界への転職を決意し、以下の戦略で内定を獲得しました。
取得資格
- 基本情報技術者試験(学習期間:4ヶ月)
- AWS認定クラウドプラクティショナー(学習期間:1ヶ月)
成功ポイント
- 資格学習と並行して、簡単なWebアプリケーションを作成し、GitHubで公開
- 面接では「アパレル業界での顧客対応経験」と「IT技術への学習意欲」をアピール
- 最終的に大手SIer企業から内定獲得、年収は前職より30%アップ
事例2: 営業職からWebエンジニアへの転身
Bさん(27歳・女性)は営業職から転職を決意。以下の戦略で内定を獲得しました。
取得資格
- 基本情報技術者試験(学習期間:5ヶ月)
- AWS認定ソリューションアーキテクトアソシエイト(学習期間:2ヶ月)
成功ポイント
- オンラインプログラミングスクールでHTML/CSS/JavaScriptを学習
- 個人ブログを作成し、学習過程や技術記事を公開
- 面接では「営業経験を活かしたコミュニケーション能力」と「技術への熱意」をアピール
- 最終的にWeb制作会社から内定獲得
資格取得後にエージェントを活用して転職する際には、転職エージェントの使い分け術!プロが教える非公開求人の見つけ方と情報管理のコツを参考ください。
最後に:IT未経験者が内定を勝ち取るためのアドバイス
- 計画的な学習
資格取得には時間がかかります。仕事と並行して学習する場合は、無理のないスケジュールを立てましょう。 - 実践的なスキル
資格だけでなく、実際にコードを書く経験も重要です。簡単なプロジェクトでも良いので、実践的なスキルを身につけましょう。 - ポートフォリオの作成
GitHubやブログなどで自身の学習成果や制作物を公開し、面接時にアピールできるようにしましょう。 - 業界動向の把握
IT業界は常に変化しています。最新のトレンドや技術に関心を持ち、積極的に情報収集することが大切です。 - ネットワーキング
IT勉強会やイベントに参加し、業界の人々と交流することで、貴重な情報や機会を得られる可能性があります。 - 柔軟な姿勢
未経験からの転職は簡単ではありません。失敗を恐れず、常に学び続ける姿勢を持ちましょう。
IT業界は常に新しい人材を求めています。適切な準備と戦略的なアプローチで、あなたも必ず道を切り開くことができるはずです。頑張ってください!
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