【完全図解】SIer・Web系・ゲーム系…未経験者向けIT業界マップと年収・働き方比較

「IT業界に興味はあるけど、種類が多すぎて違いがわからない…」「未経験でも年収アップできる業界はどこ?」「自分に合った働き方ができるIT業界ってどれ?」

第二新卒で未経験からIT業界への転職を考えるとき、こんな悩みを抱えていませんか?

この記事を読めば、複雑なIT業界の全体像が一目でわかるマップと、業界別の年収・働き方の違いが明確になります。SIer、Web系、ゲーム系など主要なIT業界の特徴を完全図解で解説するので、あなたの適性や希望に合った業界選びができるようになります。

業界ごとの詳細な比較と、未経験者向けの具体的な就職戦略まで網羅的に解説していきます。

◾️この記事でわかること

  • IT業界の全体マップと主要5種類の業界分類
  • SIer・Web系・ゲーム系の詳細な特徴と代表企業
  • 業界別・年代別の平均年収比較
  • 業界ごとの働き方の違い(勤務時間・リモートワーク・キャリアパスなど)
  • 未経験から各IT業界へ入るための現実的な方法

◾️この記事のポイント

  • IT業界は大きく5種類に分類され、それぞれ求められるスキルや働き方が異なる
  • IT業界の平均年収は約450万円で、一般企業より約30万円高い
  • 第二新卒でIT未経験でも転職可能な業界と職種がある
  • SIerは安定性、Web系は自由度、ゲーム系はクリエイティビティが特徴
  • 業界選びは年収だけでなく、自分の価値観に合った働き方を重視すべき

IT業界の全体マップ:複雑な業界を5つに整理

IT業界は一言で言っても実に多様な業種・業態が存在します。まずは全体像を把握するために、主要な業界を5つに分類してみましょう。

1. SIer(システムインテグレーター)業界

SIerとは、企業や官公庁などの顧客に対して、情報システムの企画から設計、開発、運用までを一括して請け負う企業のことです。

SIer業界は、以下の5つに分類できます。

  • メーカー系SIer:NEC、NTT、日立などの情報機器メーカー出身
  • 独立系SIer:特定のメーカーに属さない独立系企業
  • ロボットSIer:産業用ロボットを活用したシステム構築を行う
  • 外資系SIer:海外資本の企業で、グローバルな案件を多く扱う
  • ユーザー系SIer:特定の企業グループの情報システム部門が独立した企業

特徴としては、大規模開発案件が多く、安定した経営基盤があることが挙げられます。また、メーカー系のSIerでは、グループ親会社のアセットの活用や、IoT機器と組み合わせたシステム開発を提供できるという強みがあります。

2. Web系業界

Web系企業とは、自社でWebサービスを開発・提供する企業のことで、企画から制作、リリースまですべて自社で行うのが特徴です。

主な分類は以下の通りです。

  • インターネット・Web系:検索エンジン、SNS、オンラインショップなど
  • メディア系:Webメディア、コンテンツ配信など
  • Webマーケティング系:SEO、広告、アナリティクスなど
  • コンシューマー向けWebサービス:フリマアプリ、マッチングサービスなど

Web系企業の特徴は、自由な働き方の文化があり、リモートワークやフレックスタイム制を導入している企業が多いことです。また、自社でサービスを開発・提供するため、社員のアイデアが活かされやすい環境でもあります。

3. ゲーム業界

ゲーム業界は、コンシューマーゲーム(家庭用ゲーム機向け)やモバイルゲームなどの開発・販売を行う業界です。

主な分類は以下の通りです。

  • コンシューマーゲーム:PlayStation、Nintendo Switchなど向けのゲーム開発
  • モバイルゲーム:スマートフォン向けのゲーム開発
  • PCゲーム:パソコン向けのゲーム開発
  • ARやVR系ゲーム:最新技術を活用したゲーム開発

ゲーム業界は、未経験からでも転職できる職種としてデバッカーやゲームプランナーなどがあります。専門スキルがなくても、ゲームへの熱意や根気強さがあれば、デバッカーとして業界に入ることが可能です。

4. 情報処理サービス業界

情報処理サービス業界は、企業や行政の業務内容に応じて情報システムを構築し、運用に必要なサービスを提供する業界です。

主な企業として、野村総合研究所(平均年収約1271万円)、日本IBM(平均年収約922万円)、NTTデータ(平均年収約681万円)などが挙げられます。

BtoB(企業間取引)が中心で、大規模プロジェクトを扱うことが多く、高収入が期待できる業界です。

5. ソフトウェア・ハードウェア業界

ソフトウェア業界はビジネスソフトウェアやセキュリティソフトなどの開発・販売を、ハードウェア業界はパソコンや電子機器などの製造・販売を行います。

主なソフトウェア企業として、オービック(平均年収約1078万円)、日本オラクル(平均年収約1060万円)、トレンドマイクロ(平均年収約883万円)などがあります。

製品開発が中心で、専門性の高い技術力が求められる業界です。


新卒の方向けの記事「【図解】文系向けIT職種完全ガイドDX人材編」では、DX人材のキャリアパスを解説しているため、参考になると思います。

IT業界の年収比較:未経験からのキャリアパスを考える

IT業界は一般的に平均年収が高いと言われていますが、実際にどのくらいの収入が見込めるのでしょうか?業界別・年代別に見ていきましょう。

IT業界全体の平均年収

IT業界の平均年収は約446〜452万円で、全業界の平均年収414万円と比較すると30万円以上高いことがわかります。IT業界の年収が高い理由は、IT技術の急速な発展により日本全体で需要が高まっているためです。

年代別のIT業界平均年収

年代によって平均年収は大きく変わります。

  • 20代:約378〜390万円(全業界平均:352万円)
  • 30代:約499〜553万円(全業界平均:447万円)
  • 40代:約618万円(全業界平均:511万円)
  • 50代:約747万円(全業界平均:607万円)

特筆すべきは、年代が上がるにつれて一般企業との年収差が広がる点です。20代では約30万円の差ですが、50代になると約140万円もの差が生じます。

業界別の平均年収

業界によっても平均年収に差があります。

■ インターネット・Web業界

  • Google:約1120万円
  • Facebook:約700〜1500万円
  • 楽天:約627万円

■ 情報処理サービス業界

  • 野村総合研究所:約1271万円
  • 日本IBM:約922万円
  • NTTデータ:約681万円

■ ソフトウェア業界

  • オービック:約1078万円
  • 日本オラクル:約1060万円
  • トレンドマイクロ:約883万円

特に外資系企業や大手企業では、年収1000万円を超えるケースも多いです。

未経験者の第二新卒が狙える年収

第二新卒でIT業界未経験から転職する場合、最初から高年収を期待するのは現実的ではありません。しかし、IT業界は未経験からでも入りやすく、スキルアップによって年収アップの可能性が高い業界です。

転職当初は350〜400万円程度からスタートしても、スキルを身につけることで30代には500万円以上、40代には600万円以上を目指せます。

年収の交渉は、第二新卒×未経験でも給与・待遇アップできる条件交渉の極意【成功事例付】で具体例を紹介しています。

業界別の働き方比較:あなたに合った環境はどこ?

IT業界は年収だけでなく、働き方も業界ごとに大きく異なります。自分のライフスタイルや価値観に合った働き方を選ぶことが、長く活躍するためには重要です。

IT業界の働き方比較表

比較項目SIerWeb系ゲーム系
勤務時間出社時間や勤務時間が厳格に決められていることが多いリモートワークやフレックスタイム制を導入している企業が多いプロジェクト制で、締め切り前は長時間勤務になることも
残業プロジェクトの納期が近づくと残業が増加する傾向ありSIerと比較すると少ない傾向締め切り前は残業が多くなることがある
勤務体制基本的にオフィス勤務が中心おしゃれなオフィスで私服勤務もOK、自由な雰囲気が多いクリエイティブな環境、チーム制での作業が多い
キャリアパス階層型の組織構造で、マネジメント職へのキャリアパスが明確技術力や企画力を活かしたスペシャリストとしての成長が期待されるクリエイティブスキルを磨いてキャリアアップ
組織構造ピラミッド下請け構造(元請け、二次請け、三次請け)フラットな組織構造が多いプロジェクト単位のチーム制が多い
働き方の特徴安定性重視、大規模プロジェクトが多い自由度が高く、週3勤務や午前中自宅勤務なども可能な企業あり自分のアイデアを形にできる、クリエイティブな仕事
未経験者の入りやすさプログラマーやSEとして入社可能Webディレクターなどコミュニケーション能力重視の職種ありデバッカーなど専門スキル不要の職種あり
業界の特性安定性と堅実性が特徴自由度とイノベーションが特徴ゲームへの熱意や根気強さが求められる

SIer企業の働き方

SIer企業の特徴的な働き方は、以下の通りです。

  • 勤務時間:出社時間や勤務時間が厳格に決められていることが多い
  • 残業:プロジェクトの納期が近づくと残業が増えることも
  • 勤務体制:基本的にオフィス勤務が中心
  • キャリアパス:階層型の組織構造で、マネジメント職へのキャリアパスが明確

SIerは「ピラミッド下請け構造」であることが多く、元請け企業、二次請け企業、三次請け企業という階層型で仕事が進行します。階層が下がるほど給料は低く、残業も多くなる傾向があります。

Web系企業の働き方

Web系企業の特徴的な働き方は、以下の通りです。

  • 勤務時間:リモートワークやフレックスタイム制を導入している企業が多い
  • 残業:SIerと比較すると少ない傾向
  • 勤務体制:おしゃれなオフィスで私服勤務もOKなど、自由な雰囲気が多い
  • キャリアパス:技術力や企画力を活かしたスペシャリストとしての成長が期待される

Web系企業では、週3勤務可能、午前中は自宅勤務、早めの退社など、自由な時間で働くことも可能な企業が増えています。

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ゲーム業界の働き方

ゲーム業界の特徴的な働き方は、以下の通りです。

  • 勤務時間:プロジェクト制のため、締め切り前は残業が多くなることも
  • 働き方:クリエイティブな仕事が多く、自分のアイデアを形にできる
  • 転職のしやすさ:デバッカーなど未経験からでも入りやすい職種がある
  • 業界の特性:ゲームへの熱意や根気強さがあれば活躍できる

特にデバッカーは専門的なスキルを必要とせず、未経験でも転職しやすい職種です。

未経験者がIT業界に入るための現実的なステップ

第二新卒でIT未経験からの転職は、決して不可能ではありません。IT業界は人手不足と言われており、2030年には最大79万人もの人材が不足すると予測されています。

未経験者が転職しやすいIT職種

IT未経験者でも転職しやすい職種は、以下の通りです。

  1. デバッカー(ゲーム業界):専門スキル不要で、ゲームの品質チェックを行う
  2. Webディレクター:システム開発の知識よりもコミュニケーション能力が重視される
  3. ITサポート:ユーザーサポートやヘルプデスクなど、技術的知識よりも対応力が重視される
  4. テスター:システムのテストを行う職種で、未経験からでも始められる

第二新卒のIT転職を成功させるポイント

  1. 基礎的なIT知識を身につける:完全な未経験よりも、最低限の知識があると有利
  2. ポテンシャル採用を狙う:第二新卒は若さと社会人経験があることが強み
  3. IT関連の資格取得:基本情報技術者試験などの資格を取得すると有利
  4. 転職エージェントの活用:IT業界に強い転職エージェントを利用する

第二新卒は社会人経験があるためビジネスマナーが身についており、企業から見ると教育コストを省くことができます。また、若さゆえに吸収が早く、新たな環境に適応しやすいというメリットもあります。

効率的なスキル習得方法については、【6ヶ月計画表】未経験からIT業界へ転職するための基礎スキル習得ロードマップで具体的なロードマップを公開しています。

また、異業種からのIT転職で自分の強みをどう活かすかは、【職種別実例】営業・事務・販売経験をIT転職で活かす具体的な自己分析法も参考になります。

まとめ:あなたに合ったIT業界を選ぼう

IT業界は多様な業種・職種があり、それぞれに特徴的な働き方や年収傾向があります。第二新卒で未経験からIT業界へ転職する際には、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • IT業界は平均年収が高く、年代が上がるにつれて一般企業との差が広がる
  • SIerは安定性Web系は自由度ゲーム系はクリエイティビティが特徴
  • 未経験からでも入りやすい職種(デバッカー、テスターなど)がある
  • 第二新卒の若さと社会人経験は、IT業界からも評価される強み
  • 自分の価値観や希望するライフスタイルに合った業界を選ぶことが重要

IT業界は今後も成長が続く分野であり、未経験からでもチャレンジする価値は十分にあります。この記事を参考に、あなたに合ったIT業界を見つけ、充実したキャリアを築いていただければ幸いです。

2025年のIT業界の人材不足や第二新卒・未経験者にとってのチャンスについては、第二新卒×IT未経験の転職市場を徹底分析!80万人不足時代のチャンス もご覧ください。

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